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立正大学 仏教学部 仏教学科 秋田 貴廣 教授

文化としての仏像-そこから見えてくること

文化としての仏像-そこから見えてくること

立正大学 
仏教学部 仏教学科

秋田 貴廣 教授

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30分のミニ講義を聴講しよう!仏像が宿す記憶とメッセージ

「仏像(彫刻)」はいうまでもなく宗教的な存在です。しかし、「誰かが造った物質」がなぜ信仰の対象となり得るのか? それが最大の秘密……。「仏像」のあり方や意味について探ると、潜在している文化としての多様な価値が見えてきます。

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先生からのメッセージ

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仏像は、信仰の対象です。しかし、誰かが何かの素材で作ったものが、なぜ信仰の対象になり得るのかと考えると、そこにとてつもない奥行きがあることに気づきます。例えば信仰の観点でとらえると、「自分を支えてくれる何かを信じたい」という人間心理の本質がその中心にあります。
しかし、ある像を指して「これは仏陀です」と言われてそれを信じられるほど、人間は素朴ではありません。もしその像に何か超越的な印象を受けるなら、それは像自体が力を持っているということです。そこには芸術としての意味が、濃厚に潜んでいるのです。

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夢ナビ講義も読んでみよう祈りの対象としての「仏像」の本質とは

仏像はただ修復すればいいものではない? 日本には、遠い昔からの歴史の積み重ねの中で、人々の信仰の対象となってきた仏像が数多く存在します。古い仏像には、塗りがはがれたり、部分的に傷んだりしたものも多く、それらには修復を施す必要があります。しかし仏像の修復作業は、単に壊れたところを継ぎ足したり、色を塗り直したりすればいいとは限りません。文化をとらえ直す視点から「文化財」として仏像を扱い、その潜在的な価値を引き出そうとする考え方が必要になります。 塗り直したことで消えてしまった価値 例えば、日本のあるお寺が、傷んだ古い仏像を修復したいと考えて、仏具屋さんに依頼すると、おそらく9割の確率で、全体を修理して塗り直されます。そうして修理された仏像は、見た目には確かに「きれい」になっているのですが、昔から長い間その仏像に祈りを捧げてきた人たちは、違和感を持つことも少なくありません。その仏像が長い歴史を経るうちにまとってきた「深み」のようなものが、きれいに修理されたことで消えてしまったからです。
その仏像のどんなところに人々は心を動かされていたのか、何に対して畏敬の念を抱いていたのかによって、きれいに直すのではなく、別の方法で修復する方がふさわしい場合も多くあります。仏像の塗りがはがれて痛々しくなっていたとしても、塗り直さずに無彩色のままにする方が、その仏像本来の価値を表す姿により近づくこともあるのです。
仏像の価値の中核にあるものを見定める 仏像の修復では、その仏像に関わるさまざまな人の立場を理解した上で、その仏像がなぜ祈りの対象として敬われてきたのか、仏像自体の価値の中核にあるものを見定める必要があります。その根底には宗教と芸術の密接な関係性があります。今の私たちがアートと呼ぶ人の感性に働きかける作用、その点において仏像はまさに美術作品です。その力が直接的に人と仏像をつないでいます。したがってそれぞれの像の彫刻造形性を把握し、継承しようとする行為は、人と仏像との関係をつなぎ直す取り組みなのです。

先生からのメッセージ

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仏像は、信仰の対象です。しかし、誰かが何かの素材で作ったものが、なぜ信仰の対象になり得るのかと考えると、そこにとてつもない奥行きがあることに気づきます。例えば信仰の観点でとらえると、「自分を支えてくれる何かを信じたい」という人間心理の本質がその中心にあります。
しかし、ある像を指して「これは仏陀です」と言われてそれを信じられるほど、人間は素朴ではありません。もしその像に何か超越的な印象を受けるなら、それは像自体が力を持っているということです。そこには芸術としての意味が、濃厚に潜んでいるのです。

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