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鹿児島大学 水産学部 食品生命科学領域 塩崎 一弘 准教授

小さな魚の卵が人間の命を救う

小さな魚の卵が人間の命を救う

鹿児島大学 
水産学部 食品生命科学領域

塩崎 一弘 准教授

30分のミニ講義を聴講しよう!食べられない魚を人間の健康に役立てる方法

日本ではおいしい魚介類が毎日水揚げされ、魚は日本人の食生活に不可欠なものになっています。一方で、食用に適さない魚も多く存在し、その多くは未利用になっています。そんな魚たちに注目した、人間の健康改善を目的とした研究内容についてお話しします。

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先生からのメッセージ

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「水産学」に対して、あなたは漁業関連の研究だけを行う学問というイメージを持っていませんか。もちろん、漁業や水産加工業に関する研究を行う人もたくさんいますが、私は、魚のDNAやタンパク質の解析を通じて、人々の健康や病気の治療薬開発に役立てる研究をしています。
鹿児島県は南北に約600kmの海が広がり、美しい島がたくさんあり、あなたが見たことのないような不思議な生物もすんでいます。こういう恵まれた環境のもとで、一緒に面白い研究をしませんか。

夢ナビ講義も読んでみよう海や川の生物を利用して、健康に暮らすための方法を探る

サメが脳卒中や心筋梗塞を防いでくれる? 日本近海にはサメが生息しており、漁業用の網にかかった魚を食い荒らしたり、人に危害を加えたりするサメもいます。捕獲しても、サメの肉にはあまり使い道がありません。そこで、サメから採取できる成分を人の健康に役立てる研究が進んでいます。
例えば、サメの筋肉から抽出したペプチドが、人の血圧を上げる生理活性物質の分泌を抑えることがわかりました。高血圧は、脳卒中や心筋梗塞などの主因なので、原価の安いサメから慢性高血圧を予防するサプリメントなどが作れるようになれば、脳卒中も減少するかもしれません。
サメにはがん細胞の転移を食い止める効果も! サメの脂に、がんの転移を抑える成分が含まれていることも明らかになりました。がん細胞の転移を抑え、最初に発生した部分を手術で切除すれば、多くのがん患者を救うことができます。
がんがほかの臓器に転移するには、MMPと呼ばれるタンパク質が必要不可欠なのですが、サメの脂に含まれる特定の成分には、MMPの生成を阻害する働きがあるのです。すべてのがんに有効というわけではありませんが、大半は捨てるしかなかったサメの肉から人の役に立つ成分を得られるのですから、素晴らしい研究成果と言えるでしょう。
小さなメダカで大きな研究成果 病気の原因や治療法を探るための動物実験を、実験用マウスではなくメダカで行う試みも進んでいます。特に、成長段階ごとの胎児の変化を観察することが重要な遺伝子疾患の研究で、実験用メダカは非常に役立ちます。マウスの場合、母胎から取り出した胎児を生かしておくのが困難なのに対し、メダカは体外に卵を産み、殻が透明なので、生きたまま経過観察できるからです。マウスより省スペース・省コストで、遺伝子の組み換えも容易なので、特定遺伝子の働きを観察しやすいというメリットもあります。
前述のサメの例も含め、水生生物を利用して人の健康に役立つ方法を調べるのも、「水産学」の重要な研究テーマなのです。

先生からのメッセージ

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「水産学」に対して、あなたは漁業関連の研究だけを行う学問というイメージを持っていませんか。もちろん、漁業や水産加工業に関する研究を行う人もたくさんいますが、私は、魚のDNAやタンパク質の解析を通じて、人々の健康や病気の治療薬開発に役立てる研究をしています。
鹿児島県は南北に約600kmの海が広がり、美しい島がたくさんあり、あなたが見たことのないような不思議な生物もすんでいます。こういう恵まれた環境のもとで、一緒に面白い研究をしませんか。

このTALKも見てみよう英語字幕は英語字幕あり

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